「平氏にあらずんば、人にあらず」

「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢まぼろしのごとくなり。ひとたび生を得て、滅せぬ者のあるべきか」

「面白きこともなき世を面白く・・・」

名将が後世に残した名言は多くあり、どれもその時代に重要な役割を担った人間の生きざまを教えてくれます。

この本は、歴史小説家として長年集めた豊富な資料と知識から、人一倍勝負にこだわった著者が、何故名将は名将たり得たかを考察しつつ武士の生き様に思いを込めた一冊です。
ともすれば言葉のみ一人歩きしがちな名言集ですが、今回、武士の生き方にこだわり、様々な局面での判断、その人物の信念を表す言葉を集め、その時々の歴史的背景を補足しながら、それぞれの名将達の生き様を映し出しています。

勝利についての哲学として先人の言葉を借りているものの、著者自身のヨットでのレース経験、チーム作りの経験を込めています。勝負、勝利には人一倍執着していた著者の生き方もまたこの著作に反映され、単なる歴史を追いかけ、言葉を集めただけのものではなく、戦う男達の野心、勝利、慢心、絶望など様々な感情を拾い上げ、ひとつの流れに織り込んでいます。


本書では、歴史に翻弄される武将達の哲学的な言葉だけでなく、実際に戦略を練り、軍を率いて戦い、そして引き時を見極めてきた先人達の知恵をくみ取れるよう、様々な名将の言葉とその背景について簡潔な説明がつけられています。歴史に詳しい方ばかりでなく、少し歴史上の人物やその背景にあまり詳しくない方々にも、その武将の言葉を味わい、また活用していただけると思います。


【もくじ】
はじめに
第一章 名言に見る武士道のルーツ
第二章 理想を追い求めた男達の熱き戦い
第三章 名将達の金言・至言
第四章 織豊期の武将たち、その生きざま
第五章 激闘!大阪の陣、そして天下鎮定へ
第六章 泰平の世に息づく武士道と改革者の意地
第七章 「志」こそ維新回天の原動力
日本の武士道の概略史
主な参考・引用文献


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残念ながら、本作は著者の遺作となってしまいました。

日本人の覇気がなくなっている。それを幾度となく嘆いていた著者ですが、その心の中には日本人の能力の高さ、志の高さを信じていたからこそ、このような著書をきっかけに日本人の心を思い起こし、伝えて欲しいと考えておりました。

本書が武士とその目指した生き方を思い起こさせてくれるきっかけとなればと思います。


以下は冒頭の言葉の主に関してです。歴史的背景を本書にてご確認いただければ幸いです。

「平氏にあらずんば、人にあらず」平清盛
『平家物語』にて描かれた平家一族の栄華のときを記されている。
まもなく一族は没落・滅亡の道を歩むことになる

「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢まぼろしのごとくなり。ひとたび生を得て、滅せぬ者のあるべきか」 織田信長
この言葉は信長が好んで口にしたという幸若舞『敦盛』の一節
日本史上まれに見る殺戮者でもあった信長が、生死の先に見ていたもの

「面白きこともなき世を面白く・・・」高杉晋作
病の床での辞世の句
維新回天に強力な力を発揮して、その役を終えるともなく消えた天才

 

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『戦いの哲学勝利の条件』Google ブックス