「おい、じゅにあ、知ってるか?」
またきた、いつもの無茶振り。
新しいネタを仕入れたときの常套句。今日は何かな、ほんと面白いのかな・・・
「なんですか?」
「ソニーって知ってるだろ?トヨタも知ってるか?’敷島パンはどうだ?」
「さすがにどれも知ってますよ。敷島パンはパスコですよね」
「みんな、創業者や後継者は片田舎の半田のある塾から輩出されたんだっ」
「えっ?半田って二宮さんの生まれたとこじゃないですか?」
「そうだ!鈴渓義塾って知ってるか?」
「えー知りません」(って、ほんと聞いたことないし・・・)
「おまえ、国立大学出とって何も知らんなあ」(嬉しそう・・・)
「で、それいいですから、鈴渓義塾って教えてくださいよっ」
私にとっての『情熱の気風』はこんな会話から始まった。
『鈴渓義塾』は、明治5年、日本各地で、豪傑な創業者がにょきにょきとチカラを発散させた時期でもある。
あちこちに武勇伝をもつ創業者の話があり、どの方も荒廃した時代を生き抜いてさらに発展させてきたという力強い日本人として魅力的だ。
その時代、すごい教育をしていた塾があり、そこで名だたる企業の創業者、後継者などが若い頃肩を並べて育っていったというのだから、二宮さんの釣り文句を借りるまでもなく前のめりになってしまう題材だ。
それに、片田舎(失礼)の塾というのもそそられる。
そこでみんな何を学んだんだろう?
そこでみんなにどんな効果があったのだろう?
こうやって、まんまと二宮さんの誘導にひっかかって、資料集めを手伝ったことを覚えている。
中部経済新聞で2003年2月から一年以上にわたっての掲載で、この間の二宮さんは連載の激務をこなし、鈴渓義塾で学んだ人達に傾倒していった。
そんな二宮さんの力作ではあるものの、なかなか多くの人の目にとまることは無く終わってしまいそうだった。そんな作品を、今年、フィールドアーカイブさんから復刊をしてくださるという提案をいただき、今年の秋には発行が出来る運びとなった。
今回、復刊の話しをいただいて、二宮さんの奥さん共々みんなが喜んだ。二宮さんを思い出してもらえるのも嬉しかった。なにより二宮さんが頑張って書いた本を評価してくださる人がいて、そしてまた少しでも多くの人の目に止まり、またそこからアイデアをもらって起業や経営のみならず、それぞれの仕事の中で活かしていただけたらなにより。天国(地獄かな?)にいる二宮さんも喜ぶだろうなあ。
フィールドアーカイブさんで盛り立ててくださっている復刊プロジェクトのフェイスブックページはこちら
https://www.facebook.com/jyounetsu.fukkan/
今回、クラウドファンディングで資金調達しているようです。ご興味のあるかた、ご協力いただける方、是非一度覗いてみてください。
https://camp-fire.jp/projects/142701/preview?token=3ixtafhm
個別のご購入などのご相談は、こちらの問い合わせフォームから御連絡、または紀州ヨット少年団 じゅにあ宛にご連絡ください。